「おいしくなぁ〜れ」をつくる人たち ― お菓子工房Mの物語

松阪市下村町に、クッキーやチーズケーキを作って売っているお菓子工房があります。お菓子工房M。社会福祉法人まつさか福祉会が運営する、就労継続支援B型事業所です。

店に並ぶお菓子は、ここで働く人たちが手作りしています。合言葉は「おいしくなぁ〜れ」。一つひとつのクッキーを、その思いを込めて丸めているそうです。

10畳の工房から

始まりは平成23年1月。10畳ほどのスペースで、見習いパティシエ6人からのスタートでした。

平成27年10月に就労継続支援B型事業所へ移り、平成31年4月には法人のなかの一つの独立事業所として、新築の店舗を構えます。令和5年4月には第2工房「お菓子工房M・Labo」ができました。

事業所が掲げている目的は、こう書かれています。

一人ひとりの能力に合わせ、食品に携わるための衛生管理、体調管理への意識を持つように支援し、働くことを通して、楽しみや喜び、やりがい等を見出せるように支援を行い、また生産活動だけでなく、個々に応じた生活支援を行い、日常のメンタル面の安定も図っていきます。

お菓子を作るのは、利用者さん

お菓子づくりは利用者さんが主体です。パティシエとして、9割のお菓子を役割分担しながら完成させています。

一人ひとりが責任を持ち、自分のできることにしっかり取り組む。時には販売員や配達員も兼ねる。新しく入ってきた人や実習生にお菓子の作り方を教えることもあり、そうして責任感を養い、自信が持てるようになっていく、と資料にはあります。

職員にパティシエの経験者はいない

事業所によると、職員にパティシエの経験者はおらず、みんな素人だそうです。

基本的にレシピどおりのお菓子を作ることはできても、お菓子づくりに没頭したり追われたりして支援が疎かになり、利用者さんのパティシエとしての成長を妨げないよう心掛けている。主な仕事は、お菓子づくりや販売技術を上げるための支援・指導(目配り・気配り・心配りの見守り支援や技術指導)。工房内の構造化や商品開発、道具の工夫といった、一流のプロの支援員と指導員を目指す。

そして「上から目線にならないように下から支えることが大切」と考えている、と書かれています。性格や障害特性、バックグラウンドを理解し、体調やメンタル面の変化を把握して、一人ひとりに向き合う。仕事を通して自立度が上がるよう支援している、とのことです。

売り方が9つある

お菓子工房Mには9つの販売スタイルがあります。

  1. 出張販売
  2. 店頭販売
  3. 注文販売
  4. 店舗販売
  5. ちーずんカフェ
  6. Mカフェ(出張カフェ)
  7. 委託販売
  8. Mの配達便
  9. イベント販売

売り先を一つに頼らないこの形は、お客様それぞれの事情に合わせて売り方を変えられるようにするなかで固まってきたものです。

家族の協力

利用者さんの家族の協力も大きい、と資料は書いています。見守り応援し、時には営業マンとなって注文を取ってくることもあるそうです。

社会に出た我が子の働く姿を見てもらい、「いっぱい笑って」「いっぱい幸せを感じて」いただければ、そして背負っている荷物を少しずつ渡してもらい、共に歩いていければ、という言葉が続きます。

4つの幸せ

お菓子工房Mが手本にしている「究極の4つの幸せ」があります。日本理化学工業から引いた言葉です。

  • 愛される事
  • 褒められる事
  • 役に立つ事
  • 必要とされる事

幸せに感じる感覚は違うかもしれないけれど、この4つを基本に、縁があってお菓子工房Mに来てくれたお客様、利用者さん、保護者さん、関わるすべての人が笑顔で幸せを感じられることが、お菓子工房Mの幸せだ、としています。

これから

令和7年4月の時点で、42名の利用者さんが働いています。令和8年度には複数の特別支援学校を卒業した人がパティシエ見習いの仲間として加わる予定で、将来的には50名まで増える見込みです。

パティシエになりたいという多くの人の夢を叶えられるように、みんなで力を合わせて取り組みたい、と結ばれています。

見学もできます

事業所の取り組みを知りたい人向けに、見学・研修・講演を受け付けています。

  • 電話: 0598-31-3588
事業所をお探しの方へ

このページは、お菓子工房Mから提供された資料をもとにした読み物です。空き状況や受け入れの可否は扱っていません。

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