旧長谷川治郎兵衛家

江戸の大伝馬町で木綿問屋を営んだ松阪商人・長谷川家の屋敷です。30以上の部屋がある主屋と5棟の蔵は17世紀後期から20世紀初期にかけて順次建てられ、国の重要文化財に指定されています。蔵の裏手には池を中心とした日本庭園と茶室があります。いまは松阪歴史文化舎が公開しています。

江戸で稼いだお金は、松阪に住む主人のもとへ送られました。そのお金で敷地を少しずつ広げ、増築と新築を重ねてできあがったのが、この屋敷です。現存する古い商家としては、国内でベストテンに入るとされています。

長谷川家は1675年、江戸の大伝馬町で創業しました。 江戸で木綿問屋を5店舗、三河国平坂(いまの愛知県西尾市)で木綿の仕入店を営み、店では120人余りが働いていました。主人は店の経営を従業員に任せて家族と松阪に住み、人事を握ったまま、手紙で経営方針を指示していました。

松阪もめんと大伝馬町

松阪のまわりの伊勢平野では木綿が育てられ、藍染めの縞模様の「松阪縞」が江戸で売り出されました。江戸の大伝馬町には18世紀初めに木綿問屋が70軒余りあり、長谷川・小津・長井など松阪出身の商人が軒を連ねていました。

18世紀後期には、松阪から江戸へ55万反余りの木綿が送られ、そのうち4万反余りを長谷川家の江戸店が商いました。

主人は紀州藩の役所の仕事もしながら、茶道や和歌・俳句を嗜みました。茶道の千宗室や国学者の本居宣長に学び、彼らを金銭面で支えたことも伝わっています。

建物と庭園

指定の内容

指定の内容
建物国指定重要文化財(建造物)「旧長谷川家住宅」
敷地三重県指定史跡及び名勝「長谷川氏旧宅」
建築年代17世紀後期から20世紀初期(順次)

蔵の裏手には、19世紀末期に造られた池を中心とする日本庭園があり、座敷や茶室が面しています。四季ごとに表情が変わり、秋は紅葉が庭を彩ります。

長谷川家では、創業以来の土地・建物・資料とともに、近年まで昔ながらの暮らし方や年中行事が守り継がれてきました。建物だけでなく暮らしごと残っている点が、全国的にも珍しい「生きた文化財」として評価されています。

写真

見学するとき

出かける前に

  • 開館は9時から17時、入館は16時30分までです
  • 休みは水曜日(祝日のときは翌平日)と年末年始です
  • 入館料は一般400円、6歳以上18歳以下200円です。20名以上は団体割引があります
  • 障害者手帳等(ミライロIDを含む)を受付で見せると、本人と介助者1名が無料になります
  • 旧小津清左衛門家との2館共通券、原田二郎旧宅を加えた3館共通券があります

施設のパンフレットでは、呈茶(お抹茶)を500円、10時から15時45分で案内しています。庭を眺めながら一服したいときは、当日の受付で確かめると確実です。

企画展や紅葉の時期の催しも開かれています。予定は松阪歴史文化舎の公式サイトに載っています。

開館時間・料金は変わることがあります

このページの開館時間・休館日・入館料は、施設のパンフレットと松阪歴史文化舎の旧長谷川治郎兵衛家のページをもとにしています(2026年10月27日確認)。呈茶の実施や共通券の金額は、0598-21-8600へお問い合わせください。

まわり方

松阪駅からは徒歩約10分。三交バスなら「本町」で降りて徒歩約2分です。車で行くときは、松阪市駐車場に停めて歩きます。

すぐ近くに旧小津清左衛門家と豪商ポケットパークがあり、松阪公園(松坂城跡)と旧松坂御城番長屋(御城番屋敷)も徒歩圏です。豪商の屋敷を2軒見比べてから城跡へ上がると、商人のまちと城下町のつながりが見えてきます。

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